睡眠時に中途覚醒する原因|朝までぐっすり眠るための改善方法とは?

眠りについたのに、何度も夜中に目が覚めてしまう。その後、朝まで寝つけない……。このようなお悩みを抱えている方へ。

夜中に何度も目が覚める場合、中途覚醒という睡眠障害の可能性があります。中途覚醒を繰り返すと睡眠不足になり、生活に支障をきたすことにもなりかねません。また、病気が隠れている場合もあるので注意が必要です。

ここでは、中途覚醒の原因と改善方法について分かりやすく解説します。

睡眠時に起きる中途覚醒とは?

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ここでは、どのような状態が中途覚醒なのかを分かりやすく説明するとともに、不眠症と診断される目安について具体的に解説します。

中途覚醒の定義

睡眠障害には入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒、熟眠障害の4つのタイプがあります。

その1つである中途覚醒は、眠りが浅く睡眠中に何度も目が覚めてしまう状態のことで、睡眠維持障害とも呼ばれています。特に高齢者に多く、若い人にも一定数います。

目が覚める時間や回数は個人差があり、なかには中途覚醒後に寝つきが悪くなるケースも。また、寝汗や不安、交感神経の昂りなども、中途覚醒の原因になってしまうことがあります。

中途覚醒が不眠症と診断されるチェックポイント

中途覚醒は、健康な人でも加齢に伴う生理現象として起こる可能性があります。不眠症と診断されやすいのは、中途覚醒の症状が週2回以上、1カ月間持続した場合で、眠れないことで社会生活に支障が出ているかどうかも診断のポイントになります。

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睡眠時に中途覚醒が起こる原因

加齢や生活習慣で中途覚醒が起こることがありますが、病気が原因になっていることも。ここでは、中途覚醒が起こりやすくなる原因を紹介します。

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加齢

日本人の成人の睡眠障害で最も多いのが中途覚醒で、中高年や高齢者に多く見られます。

人は年を取るにつれ眠りが浅くなり、目覚めやすくなるのですが、これは異常ではなく、自然な老化現象です。

年齢とともに深いノンレム睡眠が減少し、浅いノンレム睡眠が多くなることで、中途覚醒が起きやすくなるのです。

また、高齢者に多い病気が中途覚醒に関係していることもあります。まず、周期性四肢運動障害を患うと、周期的に反復する四肢(両手・両足)の異常運動が睡眠中に繰り返し出現するため、入眠困難や中途覚醒が生じるなど睡眠が妨げられます。加齢とともに増加し、65歳以上の高齢者での有病率は30%以上に達すると言われていて、本人は四肢の異常運動を自覚していない場合も多いのが特徴です。

次に、レム睡眠行動障害という特発性で50~60歳代以上に多く見られるものがあります。日中の覚醒時には行動や認知に問題はありませんが、レム睡眠になるたびに叫ぶ、泣く、笑うなどの寝言、殴る、蹴るなどの攻撃的運動、立ち上がって動き回るなどの行動を始めます。

これら異常行動は20~30分経過してレム睡眠が終わると、再び安らかな睡眠に戻ります。レム睡眠行動障害と診断された場合は、薬物療法で治療を行います。

最後に、認知症になると環境の変化に対応しにくくなり、物忘れなどの認知症状によって不安感が増すことで夜間の睡眠が妨げられ、昼夜逆転につながることがあります。

過度のストレス

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ストレスが溜まると自律神経のバランスが崩れやすくなるため、副交感神経の働きが悪くなり、交感神経が優位になって、入眠困難や夜間の覚醒を引き起こしてしまいます。

また、うつ病を患っていると中途覚醒しやすくなります。この場合は、ストレスの原因を取り除いたり、うつ病の症状を和らげたりしなければ改善しにくく、適切な治療が必要です。心当たりがある方は、心療内科や精神科で医師に相談することをおすすめします。

利尿作用

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酒などのアルコールは寝つきを良くするものの、肝臓で代謝されるまでタイムラグがあり、3~4時間後に利尿作用を引き起こすため、中途覚醒の原因となります。

また、コーヒーやお茶などカフェイン入り飲料は覚醒しやすく、寝る前に飲むと寝つきが悪くなるうえ、アルコールと同じく利尿作用があるため中途覚醒しやすくなります。

水分を摂ることは必要ですが、夜間に過剰に水分を摂ることも尿意を誘発し、中途覚醒につながりやすいです。寝る前は、ノンカフェインの飲み物で一息つくくらいにすると良いでしょう。

寝酒がないと眠れないようなアルコール依存度が高い方は、睡眠外来で相談すると睡眠導入剤を処方してもらえることがあります。

生活習慣病

高血圧の人は、睡眠時も交感神経が優位になりやすいです。そのため、眠りが浅くなりやすく、中途覚醒が起こりやすくなります。

また、不眠が続くとメラトニンの分泌が低下して交感神経活動が活発化し、血管が攣縮することで高血圧が悪化するという悪循環が生まれます。

高血圧かつ睡眠不足の自覚がある場合は、専門医に相談して血圧をコントロールする治療を受けるなど、悪化を防ぐようにしましょう。

糖尿病の人はのどが渇きやすく、水分を摂取しがちになるため、夜トイレに行きたくなり中途覚醒しやすいという特徴があります。塩分の摂りすぎに注意し、適度な運動習慣を付けて汗を流す、不規則な生活を改めるなど、基本的な生活習慣の改善が中途覚醒の予防に繋がります。

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睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が一定の期間止まる病気です。症状は、日中の倦怠感や眠気、いびきが挙げられます。

睡眠中に舌などが気道をふさぎ無呼吸状態になると、息苦しさにより中途覚醒しやすいです。また、酸欠状態が続いて心拍数が増えると睡眠の質が低下しやすく、眠りが浅くなって中途覚醒しやすくなります。

自覚症状がある方、疑いのある方は呼吸器内科や耳鼻咽喉科、睡眠外来がある病院を受診してみてください。

睡眠時の中途覚醒を改善するための対策

中途覚醒は、生活習慣を少し変えるだけで改善できる場合があります。ここでは、中途覚醒してしまったときにどうすれば良いかや、効果的な対策を紹介します。

中途覚醒したら、再び心身をリラックスさせる

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眠れなくなると、「早く寝なければ」と考えてしまうことがありますが、あまり深く考え込むとストレスで逆効果になるため、リラックスできることを行うと良いです。

例えば、スマホでお気に入りの心地よい音楽を聴くなど。このとき、スマホの画面を見るとブルーライトで覚醒してしまいやすくなるため、画面を下にして光が目に入らないようにしてください。

ほかにも、心の緊張を取る「筋弛緩法」を行って、体をリラックスしやすくするのも効果的です。両腕を伸ばし、手の平を上にして、親指を曲げて10秒間「ギュッ」と握ります。それから手をゆっくり広げ、膝の上において15~20秒間脱力します。

両腕だけでなく、背中や肩、首、顔、お腹など、各パーツも同じように力を入れて脱力する動作を全身行うと効果的です。

身体の筋肉を意図的に緊張させ、その後に緩めることを繰り返すことで、血流が上がって筋肉の緊張がほぐれ、不安感も解消しやすくなります。

 

睡眠リズムを一定に保つ

早寝早起きの習慣がない方や、生活リズムがバラバラの方は、就寝時間と起床時間を一定にすることで、正しい睡眠のリズムを習慣化させることができます。

ポイントは、平日以外の土日も同じリズムで就寝・起床し、休みの日に寝だめしないことと、睡眠時間を一定にすることです。もし昼間に眠くなる場合は、午後3時前までに30分以内の昼寝をとると睡眠サイクルが崩れにくくなります。

また、起床時に日光を浴びて体内時計をリセットすることも効果的です。日光を浴びてから14~16時間後に入眠しやすくなるため、起床時刻を決めておけば、就寝時刻も決まりやすくなります。

就寝前は、スマホを操作して睡眠リズムが狂わないように心掛けることも大切です。ブルーライトは覚醒を促すため、寝つきが悪くなり、就寝時刻が変わってしまう原因になります。どうしても就寝前にスマホを使わなければならない場合には、ブルーライトカットメガネを使用することをおすすめします。

就寝90分前に入浴する

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人は、体の内部の深部体温が下がるときに入眠しやすいことが分かっています。入浴直後に高くなった深部体温は、時間をかけて下がっていくため、寝る90分前までに38度〜40度のぬるま湯に15分ほど浸かると良いです。

一般的に42度以上の熱いお湯に浸かると、交感神経が刺激されて覚醒しやすくなり、深部体温が高いまま下がらずに入眠を妨げてしまいます。

また、寝る直前に入浴してしまうと、せっかく下がり始めた体温をまた上げてしまうので逆効果になります。入浴してから寝床に入るまでは、副交感神経を優位にさせるためにも、心身がリラックスするように過ごしましょう。

生活習慣を見直し、途中覚醒を改善&予防しよう

夜中に何度も目が覚める、一度起きたら朝まで眠れないという人は、途中覚醒の可能性があります。

途中覚醒は生活習慣の見直しで改善させることができるので、ぜひ試してみましょう。

それでも症状化改善しない場合は、病気が影響している可能性もあります。薬局で売られている睡眠改善薬の服用を試してみるのも良いですが、昼間の眠気・めまい・頭痛・発疹・胃痛・吐き気・口の渇きなどの副作用の可能性もあるため、まずは医師に相談したほうがいいでしょう。

また、薬物療法は一時的な改善効果を得られますが、根本的な不眠症治療にはならないので、薬に頼らずとも十分な睡眠が得られる生活習慣を作り出すことを目指しましょう。

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